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パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



バッカラの街、サンドリーゴで伝統を食べる :: 2019/11/19(Tue)

ヴェネト州はバッカラの食文化の強い地域。バッカラとは言っても、実際ヴェネトでは、メルルーサの内臓を取り除き、丸一匹を寒風干しした「ストッカフィッソ(stoccafisso)」のことをバッカラと呼んでいる。対し、一般的に知られている「バッカラ(baccalà)」は、三枚に下ろしたものを塩漬けにしたものだ。
ヴェネトでは、ヴェネツィア共和国時代に、商人の航海の際の漂流先として漂着した先が、このストッカフィッソの生産地であるノルウェーの島であり、それを持ち帰ったことによってヴェネツィア共和国内に定着した、とされる歴史ある食材。

だから、ヴェネト州内、各地に伝統的に知られるバッカラ料理(あえて、バッカラと呼ぶ)がある。その代表が、ヴェネツィアの「バッカラ・マンテカート(Baccalà mantecato)」戻したバッカラを茹でて、オイルを加えながら攪拌し、ペースト状にしたもの。そして、「バッカラ・アッラ・ヴィツェンティーナ(Baccalà alla Vicentina)」だ。こちらは、戻したバッカラに粉をふり、牛乳とオイル、そして下ろしたグラーナをたっぷり加えて長時間煮込んだもの。
これらが最もヴェネトで親しまれる2大バッカラ料理だ。

そして、ヴィツェンツァ県北寄りに位置するサンドリーゴという街。ここは、バッカラが非常に重要な食材として扱われてきた地。毎年9月には、バッカラ祭りも大開催される土地だ。

そこに個人的に通うバッカラ専門店が2軒ある。正直にいうと、そのうちの一軒が気に入っていて、そちらを優先に食べに行っていたのだが、たまたまこの日は予約でいっぱいのため、以前にも訪れたことがある、こちらのリストランテ・パルメリーノに行くことにした。こちらも地元では大変に有名店。

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到着したらもう店前の駐車場はいっぱい。大きな木彫りのストッカフィッソが出迎えてくれる。

店頭には、「バカラ・ヴィツェンティーナ(Bacalà alla Vicentina) 」の正統派店の認定看板。同メニューを受け継ぐ店舗に置かれる看板。

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ちなみに、このバッカラのスペルは一般的にはBaccalàとCを2回繰り返すのだが、このヴィツェンツァ県のバッカラは、BacalàとCは一つだけ。彼らのこだわりなのだ。

店内に着席。日曜のお昼だけあり、満席。(写真は食べ終わったときだけど)私好みのエレガント&クラッシックな内装の店は、落ち着いて安心して美味しものがありつけそうな良い予感をさせるのに必須。

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店内には、伝統的にストッカフッソを生産する、ノルウェーのルフテン島の様子が。いつか行ってみたい場所。

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注文を終えたら、ベンヴェヌートの一皿が運ばれてきた。バッカラとサーモン、冬の葉野菜のミネストラ。バッカラとサーモンのいい味わいと繊維の強いバッカラが濾したあとでもしっかりと食感の残る、濃厚なのに優しい味。ストッカフィッソの産地、ノルウェーのロフテン島の人たちの地元料理なんだそうだ。

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アンティパストには、バッカラのいろいろ。バッカラ・マンテカート(左上)→フリット→ジャガイモを混ぜ込んで煮込んだもの→バッカラのトリッパ煮込み。
それぞれに味わいが全く異なるバッカラ料理。それにしても、このバッカラ・マンテカートは今まで食べた中でも最高位に入るくらいの良いもの!臭み全くなし、とっても滑らかでバッカラをしっかり感じるいいデキのマンテカートだ。

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プリモは、ビーゴリとトルテッリ。太いビーゴリとしっかり煮込んだバッカラ(バッカラ・ヴィツェンティーナの煮込みの細かくなった部分の利用法でもある)とズッキーニが相性良し!…とこれを注文した同席者、東京でBACARO FERROを営むまきちゃんより。
そしてトルテッリの中身は、バッカラの煮込みとリコッタを具材に、柔らかくホクホクとしたカボチャがソース。これも旨し。

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そしてメインのバッカラ・ヴィツェンティーナ。これぞ王道!という堂々とした飾り気のないシンプルな一皿。丁寧な作りが、食べてすぐに、よーく感じられる。

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こちらはついでだが、バッカラのカルパッチョ。柑橘を合わせて爽やかに。

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バッカラの美味しさを正しく再認識した昼食。

食事の後は、この周辺の地元ワインであるヴェスパイオーロ(Vespaiolo)を産するブレガンツァ(Breganze)をドライブ。笑っちゃう小さなアクシデントに遭いながらも、しっとりとした雨の合間の秋に遭遇。

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Trattoria da Palmerino
Via Piave, 13 36066 Sandrigo (VI)
Tel: 0444.659034
http://palmerino.eu

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テーマ:イタリア - ジャンル:海外情報

  1. ristorate/飲食店
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  3. | comment:2
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木彫りのストッカフィッソがいい味出してますね♪
まさにバッカラのフルコース!
全ての料理が魅力的です。

カルパッチョは戻した生のバッカラそのまま何ですか!?

ユウタ
  1. 2019/11/20(Wed) 00:43:35 |
  2. URL |
  3. #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

はい、まさしく専門店ならでは、です。カルパッチョは、戻したものを薄くスライスしたものでした。こんな食べ方もあるんだなー、という感じでした。
  1. 2019/11/20(Wed) 14:17:54 |
  2. URL |
  3. aki #-
  4. [ 編集 ]

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