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パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



ジーラソーレ…太陽とヒマワリ :: 2020/07/14(Tue)

フリウリのカンティーナで作業をするために車を走らせていると、ここらへんは、ヒマワリ畑が結構とあることに気がつく。この時期は開花の時期だから、あっちもこっちも黄色い絨毯がパッと広がったようになる。

このヒマワリ達は、もちろん観賞用ではなくて搾油用の花だ。だからものすごい勢いで整列したひまわりが一気に咲くから、圧巻で壮観。


ヒマワリって、夏らしい花だとつくづく思う。この色、この立ち居振る舞い…。


と思って眺めていたら、隣で車を運転していた友人が放った一言…「non girano più al sole…」

イタリア語で「ヒマワリ」は、「ジーラソーレ(girasole)」という。「ジーラ=回る」「ソーレ=太陽」という意味からきている言葉なので、漢字で書く「向日葵」とまさしく同様の意味だ。

だから、彼の言う「non girtano più al sole」は、「太陽に向かっていない」という意味。


確かに!


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畑にはわんさかと植わったヒマワリが、夕日を背に皆がこちらを向いている。これだけのヒマワリが一気に同じ方向を…それも太陽に背を向けている姿を改めて見たら、ちょっと不思議な気分になった。


どうやら、ヒマワリというのは花をつけるまでは太陽の動きに従って動くのだそうだ。つまり東から西へ…と。

成長するに従って、茎が硬くなり固定されることにより、首を触れなくなる。つまりは太陽の動きに付いていきたくともそれが叶わなくなる、ということだ。


ヒマワリの細胞の成長ホルモンは、光が当たらないと濃度があがるため、影となる部分の伸長が早められる。ヒマワリの頭部は光を追いかけることにより片側が影になることから、常に太陽と反対側となる部分が伸びて、結果的に太陽に向かって屈曲するようになる。

つぼみが育ち開花の頃ともなると、茎の成長も止まってしまうので、太陽を追うことができなくなるというわけだ。


そして面白いのが、その止まる方向は常に東側。だから天気のよい今の時期の夕方にヒマワリ畑にいくと、ヒマワリは一斉に太陽に背を向けている、という光景に出くわすのだ。


東側で止まるというのは、根拠があるのかはどうかとしてある研究結果としてもっともらしい話がある。


まずは、太陽は東側から登る。植物は朝の力のある太陽の光を浴びることにより自然の力を得るためともいえ、太陽を追うことのできる開花前のヒマワリも、明け方前には東側に向きなおし、朝日を待っているのだとか(確かめたことはないが、明け方のヒマワリ畑へ行ってみたい!)。


成長を終えた開花後のヒマワリは、東側にはより強いエネルギーがあるとされるので、東側にその花の向きが固定される。そして彼らの次世代を継がせるためには欠かせない、自然界の虫の活動を助けるためにも、東側は有利に機能するのだとか。受粉率も、東側は西側の5倍もの強さがあるそうだ。


その記事はこちら↓

I girasoli seguono davvero il sole?


ヒマワリ畑の先に向かった先は…息をのむほどに美しい夕焼けの、コッリ・オリエンターリ・デル・フリウーリdoc地区の中心地。


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いい丘陵地帯だ。





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フリウリ郷土料理を食す :: 2020/03/23(Mon)

ヴェネトからフリウリへ…と自分の強い興味の域を広げているここ数年。

もう、これは完全に備忘録的になってしまうのだが、これぞフリウリ料理!という町の繁盛店に行ったときのこと。

チヴィダーレの著名カンティーナのオーナーに、郷土料理を食べに行くなら…と勧めてもらった先がここ。
ラマンザッコという小さな町のトラットリア。超庶民派な食堂的なちょっと広めの店に到着したのは、夕食には少し早い19時すぎ。こんなところだから大丈夫だろう、と思って電話もせずに訪れたのだが、その予想に反して、その夜はほぼ満席だという。

どうにか角の小さなテーブルを確保してもらい、一安心。
メニューは給仕のシニョーラの口頭のみ。

頼んだものは、もう完全に地元料理のみ。といっても、言われたメニューも地元料理のみだったが…。

アンティパストには、燻製ニシンのオイル煮。予想していたよりもかなりしっかりした大きなものが皿にドカン、ときた。

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アリンガ (aringa) は、ヴェネトでも伝統食のひとつ。アリンガの「ア」をとって、「レンガ」と呼ばれるのもよく知られているところ。

塩漬け、乾燥、燻製のものなどがあって、ヴェネトやフリウリのいわゆる「ポーヴェラ」な食だ。ニシンならでは、メスをよく食すので、腹には卵もしっかり入っている。

そして香草たっぷりのフリッタータ。ケーキみたいなのが運ばれてきた!

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これも定番の、ムゼットブロヴァーダ
しっかりと脂っぽいムゼットと、酸味の効いたブロヴァーダはよい相性…というか、これがないと食べられないのかも。

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そしてフリコ

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フリコは作る人によって様々なレシピがあって、仕上がりもかなり異なるもの。ここのは、風船みたいに膨らんだフリコ

フリコには、ジャガイモとフォルマッジョ(モンタージオなど)が一般的で、そこに玉ねぎを入れる入れない、とかパンチェッタを…とかいうものもある。
このタイプのものは、ジャガイモも入らないタイプ。強火でフライパンの上でフォルマッジョに火を入れることで、こんな形になる。

もうこの段階で店内は満席。

飾り気ない郷土料理を、と思ったら、お勧めの店。

Trattoria Ai Cacciatori
Via Pradamano, 28 33047 Remanzacco (UD)


おまけに…
翌日はトリエステ方面へ。同州内でも、トリエステは、ヴェネツィア・ジュリア地方にて、彼らに「フリウラーノ」なんて声をかけたら、本気で嫌な顔をされる。
フリウラーノの挨拶「マンディ!」なぞ声にしたら必ずや無視されること、間違いなし。

そこで食べたのは、トリエステ名物のボッリート。

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これもなかなかよい!



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フリウリ料理を東京にて @イル・ボッカローネ(恵比寿) :: 2020/03/21(Sat)

ブログ放置状態だったゆえ、しばらく前の話題に…

2月半ば、恵比寿のイタリア料理店にて、フリウリ料理のフェアが開催された。
目的は、フリウリオーガニックワインの販売展開と、それにあたって企画された、フリウリ料理のイベントだ。開催にあたり、フリウリより地元の料理人をコーディネイト、超フリウリな料理を東京で紹介すべく、数ヶ月前よりシェフの人選とそれに伴う手配、そしてメニュー提案などをしていざ、出陣。

店では、現場の方々の絶大な協力のもと、私はノータッチで事が進み、ほんとにフリウリの現地の味が、フリウリに居るか、のごとくに展開されていた。

店内もニギニギとしてよい感じ。

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営業の終わりに、私もシェフから何皿かおすそ分けをいただいたので、そのうちの数点を…

チャルソンス!

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トック・イン・ブライデ。

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トロトロと柔らかく仕上げたポレンタに、いくつかの種類のキノコ、そして仕上げに燻製のペコリーノを添える。今回の隠し味は、ポレンタの粉を炒って焦がしバターで仕上げたソースが効いている。
これには、フリウリのソッキエーヴェという地域のポレンタを使う。風味が格別によく、シンプルながらの逸品だ。ポレンタは、シェフと私たちでフリウリより持参。

滞在中は、多くの方にいらしていただき、また、知人・友人なども毎晩訪ねてきてくれて、本当に嬉しかった。いらしてくださった皆様、どうもありがとうございました。

日中はワイン販売の営業に…夜も営業後に知人のレストランを訪問…と連日大忙しだったけれど、多くの方に出会えて、これも非常に嬉しく楽しい日々。

そして何よりも、開催を主催された料理店及びワインインポーターとの今後の連携などについて話もでき、さらなる展開ができることを確信できたことは、大変な収穫であった、と思う。

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とはいえ、これも、現在の世界問題にも発展してしまったコロナウイルスの感染が世間で報道された初期の頃。
現在は、イタリアの状況はまだ先が見えず、さらに発展してヨーロッパ全体の、そして世界全体へ波及してしまったところにある。

多くの情報に翻弄されすぎないよう、また間違った見解に惑わされないよう、自分のできることを信じるように、と自分なりの模索の毎日を送っている。

皆が声を揃えて口にする合言葉、“Andrà tutto bene” 。この一言の裏に控える現実も考えつつ…


Il Boccalone Tokyo
1-15-9 Ebisu, Sibuya-ku, Tokyo

Venchiarezza
Via Udine 100, Cividale del Friuli (UD)
https://www.venchiarezza.it



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秋のフリウリ旅 :: 2019/10/27(Sun)

ここ最近はワイナリー訪問の依頼も、ヴェネトよりも断然高い確率でフリウリ地方に行くことが多い。

個人的にこの地区のワインが非常に好きで、贔屓目もあることから、毎回ごとに喜んでお引き受けさせていただいている。特に人気なのは、ゴリツィアコッリオ地区。巷で言われる「オレンジワイン」の有名な産地。「自然派ワイン」とかとも言われているが、両者ともしっくり感がない。ここに居るとそれらのことは、「マチェラートしたワイン」と呼ぶと、判りやすい。

「マチェラツィオーネ」とは、ぶどうの絞り汁を一定期間果皮や種に漬け込むことによって、ぶどうの成分を抽出させることであり、色や風味をつけることだけが目的でない大きな違いは、その期間中にアルコール発酵も行われること、と理解している。
特に白ワインつくりの際には、ぶどう収穫後は、とにもかくにもぶどうの果汁と皮とを早く分離させるが、上述のものは、それとは全く逆に近い思想のなかにて、この工程をとる。

この地区には、日本にも絶大なファンを持つ偉大な作り手が集中している地区で、本当に本当に役得としか思えない、有難いことに、様々な生産者を訪問する機会を与えてもらっている。

そのなかでもおそらく最も訪問頻度が高いのが、ラディコン (Radikon)。
人間的にも偉大であったスタンコ氏がなくなったのは3年ほど前のこと。今は息子さんのサシャさんを中心に、亡氏の後を受け継ぎ、ワインつくりだけではなく、地区の地場品種であるリボッラ・ジャッラを盛り上げるべくの活動を積極的に行い、また彼らのワイナリーにも宿泊施設をオープン、ワイナリーもさらに整備するなど、いつも前向きだ。

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この日は、亡スタンコ氏の奥様であるスザナさんが対応してくれた。
この日に試飲したものは、同年のものをここで何度かいただいている。その時々に感じる味わいが異なるのが不思議。そして、ここのワインは、いわゆる通常ソムリエのコースやらその講師ほか関係者のよく使うワインを表現する言葉が当てはまらないのが、また不思議であり、それが面白い。

この日のお気に入りを一本購入しながら、最後はそんな話しで締めくくった。

もう一軒は、ダミアン・ポドヴェルシッチ(Damijan Podversic)。新しいぶどう畑の中心に、新たなワイナリーを建設中。完成までにはまだしばらくだが、今年からはここで作業もできるようになったことが、かなりの進歩。働きやすさに彼ら家族一同が本当にうれしそうだった。それまでは、畑と醸造、保管等々が皆バラバラの場所でそれがとても大変だったから。

現在はちょうど「マチェラツィオーネ」中の期間だが、トーノと言われる縦型の木のタンクの蓋を開けて現在の状況を見せてくれた。

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これもリボッラ・ジャッラ。皮はかなり成分が抽出した後とはいうものの、香り高し。食べても美味しくて!とても嬉しそうに話す娘のタマラさんの顔が忘れられない。

どこの作り手を訪ねても、本当に自分たちの仕事と生産物を愛し、大切にしていることを肌で感じ、何度通っても毎回色々なことを学ばせてくれる。今、これを書いていても、また鳥肌がたってきた!

さて、この日にご案内した皆様をお連れした宿はこちら。「ラ・スビーダ (La Subida) 」。

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この辺りでは最も有名なレストラン(ミシュラン一つ星)とオステリアを持ち、また宿泊用のコテージを併設している。大きな敷地をこれらの施設やほかに馬などの飼育場なども備えたリゾート的な場所だ。

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宿に着くと、大抵の方は興奮して声をあげる、本当に素敵な空間。暖かい暖炉に出迎えられてウエルカムドリンク。どこもかしこも小さなところにまでしっかり配慮の届いたセンス抜群なインテリアには、もうもう感動するばかり…なのだ。

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そうそう、入り口付近にある、このパンの飾りもの。

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何ですか〜?とオーナーさんに聞いたら、この辺りでは昔から伝統的に使われるコムニオーネの際のパンなのだとか。
コラーチ (colaci) とかコラッチ (colacci) と呼ばれるもの。
コムニオーネを受ける子供の腕にこの輪っかのパンを通し、その数が多ければ多いほど、そしてパンに砂糖などでデコレーションがあればあるほどその家庭の豊かさを象徴していたのだとか。

ここでも新たな発見。
実は、週に一回くらいの頻度でフリウリに通っている私。何度でもあるこの新発見がたまらない快感、それが通う一因であることは間違い無し!だ。

La Subida
Via Subida 52 34071 Cormons GO
https://www.lasubida.it



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フリウリ・ブットゥリオ (Buttrio) へ :: 2019/08/14(Wed)

ここ最近、ワイナリー訪問やら他事やらでフリウリ地方に出向くことが多い。

ワイナリー訪問だと、ここのところ人気のゴリツィア・コッリオ地区やらイゾンツォ、もしくはウーディネ県下のコルモンス周辺のカンティーナ訪問が多くなりがち。

先日は、ちょっとそこからずれた地域にてあるカンティーナを訪ねた。ウーディネ県ブットゥリオ (Buttrio)。電話で日程を調整したときから想像していたカンティーナのオーナーはパオロさんは、会ってみたら予想的中の人物で、一人で忙しそうにあちこちに動き回っている。
(写真なし!!!忘れたー)

軽く挨拶を交わしたら、とにかく「畑、見に行く?」と言われ、もちろん!と彼の車に乗り込んだ。彼の作業車、FIATのきったなーい車で畑をまわる。

彼のつくるワインは、白はフリウラーノ、ソーヴィニオン、シャルドネ、リボッラ・ジャッラ、ピノ・グリジョ、ピコリットなどの品種を主にバリック(新、古)にて熟成させたもの。赤はレフォスコ、メルローなど。

それぞれにグラン・クリュとしていくつかの畑の品種をそれぞれに分けて瓶詰めして商品にしている。

それらの畑を丁寧にひとつずつ畑の位置と気候、土壌などを説明してくれる。

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この時期は、黒品種でも一番早く色づき始めるメルローがいい色に実に色をつけはじめた。

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この土地はいわゆるポンカといわれる土壌が特徴。泥灰土と砂石が堆積層となった特殊な土壌。灰分が多いので、全体的に白い部分と赤土とが層になっているのがわかる。乾いていると石のように硬いが、少し水を含むとポロリと崩れる。ミネラル分が豊富なこの土壌が、この土地独特のワインをつくりあげる。この辺り一帯は、ほぼこの土壌で覆われており、ポンカの深部にまでぶどうが根をのばして土壌のミネラル分を吸い上げるという。

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以前にこの付近の丘陵地の森を崩してぶどう畑をつくる現場に案内してもらったことがあるが、畑づくりはこの岩のような土を掘り起こすことから始まるのを目にした。とにかく岩を割り砕いて土を起こしていく必要があるので、ブルドーザーで端から丁寧に割り進んでいくのだ。

こんな状況からできるブドウからつくられるワインは非常に土台のしっかりとした力強さが与えられる。

ワインの写真もカンティーナの写真もなにもないのだけれど、この後はパオロ氏のカンティーナにて熟成中の樽やステンレスタンクからこれから瓶詰めになるワインをいただく。

途中、帰ってきた奥さんの派手さにおののきながらも、敷地内彼らのレストランの中なども見せてもらい…

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とっても可愛い。古い鍋やらまな板などが並んだ壁--

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そしてこの古いふるいを使った照明!

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この訪問時は夏季休業中で営業していなかったのだが、次回はぜひ!

ほんとはパオロ氏訪問前にお昼をここで食べる予定でいたのだが、店が開いていない、とのことなので、彼に他店はどこに…と尋ねてこの街唯一の他の候補地にて食事。

思いがけず、魚介料理専門店で頼んだものは、魚介のクスクス、そしてお通しには、スキーエ(小エビ)とポレンタ。予想に反したものの、美味しくいただいた。

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